みそ汁じいさんの歯ぎしり

  •  

「やってみなはれ」

 「やってみなはれ」はサントリーの創業者鳥居信次郎さんの言葉です。サントリーの社是です。

 僕は新しい事に挑戦することが苦手で、つい二の足をふんでしまいます。こんなことではいけないといつも思います。

 いしじの仕事はタオルの加工です。タオルの業者さんから持ってきたタオルを加工しています。タオルの加工は工程がいくつもあり、これがなかなか大変です。先ずタオルをたたみます。各々のタオルには業者さんから指定されたたたみ方があり、指示通りにしなければなりません。汚れやプリントミスなどを点検しながらたたみます。ポリ袋に入れ(のしをつけることもあります)、テープ止めし、数をかぞえて梱包します。

 利用者さんは、各々の能力や特性に合わせて仕事を分担します。左右のわからない人、数がかぞえられない人、手先が器用な人など利用者さんの能力は多様です。

 十数年前パソコン教室に通いました。僕の古い頭ではどうしてもついていくことができず教室に通うことが苦痛になり、とうとうやめてしまいました。いまだに会社の会計簿は手書きです。エクセルができれば楽なのにねえ。

 いしじの所是(幸せの合言葉)の二番目は「失敗をおそれずチャレンジしよう」です。それは正しい所是だと思いますが、その為には利用者さんの現時点での力、感情等に合わせて慎重に進めなければなりません。利用者さんとの長期にわたる深い交流のなかで生まれる信頼関係の構築が不可欠です。いしじの全ての職員は日々その努力をしています。「少し頑張れば到達しうる所に目標を設定する」が原則です。僕のパソコン教室のようになってはいけません。

 「やってみなはれ。やらなわからしまへんで」イコール「失敗をおそれずチャレンジしよう」はいしじの職員にとっても大切な言葉です。